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『野薔薇』を読んで

memo
少年は薔薇と出会います。
荒れ野に咲く赤い野薔薇に。丁寧に丁重に手入れされ守られた薔薇ではなく、自ら咲く美しい薔薇に。
薔薇よ、薔薇よ、赤い薔薇。

そして少年は薔薇と対峙します。
『お前を折ろう』
少年が薔薇に投げかけた言葉。少年特有の無邪気な残酷さでしょうか。感情に素直に出した言葉かもしれません。後先を考えず、自分の手の中で咲いてくれたら、どんなに素敵だろうと。綺麗な宝物を見つけた無邪気で残酷な略奪者。
それとも、精一杯の自分勝手な愛の告白でしょうか。あなたを傷つけても手に入れたい。傷つける事はわかっているけれど全てを捨てて付いてきてくれないか。

薔薇の答えは
『あなたを刺します』
はいなのでしょうか、いいえなのでしょうか。でもそのどちらの言葉も少年は求めてはいません。言葉を交わすだけならば荒れ野に少年がやってくればいい、少年の望みは側にいてくれること、これは問いかけではないのです。少年は無力です。薔薇のために荒れ野を用意したりはできません。差し出せるのは両手だけ。言葉は必要ではないのです。
薔薇の答えの意味が拒絶なら、身に纏う武器である棘を構える唯一の抵抗です。

『薔薇は手折られた』
薔薇の言葉は少年の耳には届きませんでした。
少年の心には薔薇の棘は残ります。
果たして、薔薇の言葉は拒絶だったのでしょうか。全てを捨てて付いて行くなど簡単な事ではありません。ですが、あなたも共に傷ついてくれるなら、傷ついても構わないと、もしかしたら。

『傷つきたくはない』
少年が誰にも守られていない荒れ野の薔薇に心を惹かれたことをきっと薔薇は知っています。だから少年の手の中で守られなくてはならない存在となった薔薇を変わらず同じ様に美しいと思ってくれるとは信じられないのです。ならば、いついつまでも美しい思い出でいたい。そう願ってもいいのではないでしょうか。
薔薇は折られる事を否定したのではなく、手の中にいることを断ったのかもしれません。愛されることは嬉しいことです。それは簡単なようにみえてとても難しいことだから。だから嬉しいのです。
咲き誇った薔薇は自分が今、一番美しいと知っています。赤い花弁が隅々まで瑞々しい今が。
薔薇にだってブライドはあります。
薔薇は捨てられなかったのでしょうか、それとも、全てを捨てたのでしょうか。

少年の一時的な感情に振り回された可哀想な花なのでしょうか。薔薇は考えた言葉を言いました。薔薇の心は薔薇のものです。
02.JanuaryFebruaryMarchAprilMayJuneJulyAugustSeptemberOctoberNovemberDecember 2007
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